朝鮮学校の無償化適用見直し法案パブコメへの意見ーひとことで言うと、「恥を知れ」ということ

 朝鮮学校の無償化適用見直し法案(公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する 法律施行令の一部を改正する政令案等)のパブリックコメントに対し、意見を送っておいた。
 意見受付の締め切りは今月26日なのでまだ時間はある。真っ当な常識があればこれは恥ずかしいことなのだから、反対意見の内容や分量には、実は政府は神経を尖らせているのではないだろうか。

(以下、私の意見)
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 この省令案の概要を一見しただけでは、無償化適用から朝鮮学校を除外するものであるとは分からない。このような不親切な記述は、国民から広く意見を求めるべきパブコメにはふさわしくない。まず、この点、善処を要請する。
 特にこの問題は当初、無償化の方向で進めていたにもかかわらず、中途で保留とし、ついに無償化の道を絶とう、という理解しがたい過程をたどっているだけに、詳細な理由説明が必要なはずだ。それを積極的にしようとしないのは何か他意でもあるのかと疑いたくなる。
 実際、朝鮮学校への無償化は2010年の同法施行後、遅ればせながら適用とする方向で政府は動いていた。それをとどめたのは周知の通り、朝鮮の韓国への「砲撃事件」があったためだった。
 だが、韓国と朝鮮の衝突という外交問題であるにもかかわらず、朝鮮学校に通う在日朝鮮人の子たちの教育権に結びつけるのはどういう発想だろうか。外交問題の責めを国内にいる当該の国の子に押しつけることには、納得しうる合理的な理由は見いだせない。それまでの経緯から言って、本来なら時期を見て、逆に無償化に踏み切らねばならなかったはずだ。にもかかわらず、今度はついにその道を絶とうとしている。
 一般紙によると、「朝鮮総連に就学支援金が授業料以外に流用される恐れがある」ことなどを文科相は理由としてあげているというが、そのようなことは事後チェックで幾らでも分かるはずであり、とってつけた言い訳にしか聞こえない。
 朝鮮学校の無償化除外の省令には、その裏付けとなる正当な理由がないと言わざるを得ないのいだから、これは砲撃に対する「懲罰」であるとしか考えることができない。それにしても日本政府は、子どもに懲罰を与えるようなことをして恥ずかしくないのだろうか。私は日本国民の一人としてとても恥ずかしい。
—「あなたの祖国が外交上問題を起こしたので、あなたたちに責任をとってもらいます」「われわれはあなたたちだけを差別的に取り扱います」—
 このようなことを法律として明文化するのは後世に残る恥であり、世界に顔向けできない恥である。そういう恥ずかしいことを堂々とやってしまっていいのか、政府はもう一度、冷静に考え直すべきだ。
パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ
[省令案の概要]

公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金 の支給に関する法律施行規則の一部を改正する省令案の概要
1.現行制度の概要
高等学校等就学支援金制度(以下「就学支援金制度」という。)の対象とな る外国人学校(各種学校であって、我が国に居住する外国人を専ら対象とす るもの)は、現在、公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学 支援金の支給に関する法律施行規則(平成22年文部科学省令第13号)第 1条第1項第2号において、次の3つの類型を定めている。
(イ)大使館を通じて日本の高等学校の課程に相当する課程であることが確認 できるもの(民族系外国人学校)
(ロ)国際的に実績のある学校評価団体の認証を受けていることが確認できる もの(インターナショナル・スクール)
(ハ)イ、ロのほか、文部科学大臣が定めるところにより、高等学校の課程に 類する課程を置くものと認められるものとして、文部科学大臣が指定した もの
2.改正の概要
上記のうち、(ハ)の規定を削除し、就学支援金制度の対象となる外国人学 校を(イ)及び(ロ)の類型に限ることとする。
※現時点で、(ハ)の規定に基づく指定を受けている外国人学校については、当分の間、 就学支援金制度の対象とする旨の経過措置を設ける。
3.施行日
公布の日から施行

 なお、以下を参考にした。
http://synodos.livedoor.biz/archives/1929030.html