2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

なるほどその通りかもしれないけれどもー「はだかの王様」の経済学(東洋経済新報社)

書名から内容を想像するのは難しかったが、つまりマルクス主義の疎外論について語った書物だった。 著者は、王様が裸であることに気づいていながら、そのことを指摘しない(できない)で「裸」状態が延々と続くという「疎外」の状態を示し、「裸の王様」であ…

「文明の衝突」の論理を回避するために(前回の文章の補足)

前回書いた文章(「他者」に寄り添う栄光と懸念−「イスラムの怒り」)の最後の方の論旨が今ひとつ不明確なので補足しておこう。 特に石油の利権問題が要因となっている米国の世界戦略に対して中東諸国は時には懐柔されたり屈服させられたりしながらも、粘り…

「他者」に寄り添う栄光と懸念−「イスラムの怒り」

またも「極東ブログ」の書評を読んで購入した書籍から。 本書は冒頭、2006年のサッカー・ドイツワールドカップ大会の決勝戦でジネディーヌ・ジダンがイタリアの選手に頭突きを食らわせて退場になった事件を取り上げている。 あの時、私はジダンが差別的な言…