反資本主義

なるほどその通りかもしれないけれどもー「はだかの王様」の経済学(東洋経済新報社)

書名から内容を想像するのは難しかったが、つまりマルクス主義の疎外論について語った書物だった。 著者は、王様が裸であることに気づいていながら、そのことを指摘しない(できない)で「裸」状態が延々と続くという「疎外」の状態を示し、「裸の王様」であ…

覚え書きーだらだら書いてきたこのブログは何を目指しているのか

思うところあって、自分のブログを整理しつつ読み返してみたが、延々と規制改革問題ーそれも効率と公平の問題をめぐって書いている。両者はもともと片方を追求すればもう片方が犠牲になる「トレードオフ」の関係にあるそうなので、私はいつまでも論じ続ける…

あまりに観念論的な・・・的場昭宏「マルクスだったらこう考える」(光文社新書)

的場昭宏氏の「マルクスだったらこう考える」には論理性を欠く記述が少なくない。 たとえば64ページ「マルクス主義の現実的可能性」で 「では、なぜ資本のグローバリゼーションに対抗しなければならないのか。それは、資本のグローバリゼーションこそ私たち…

問題は本当にいずれは元にもどるのかということ

米国のバルブ景気こそが高品質・高付加価値のトヨタやソニーの生産販売計画を支えていたことが今や明白になった。 逆にいえば今回の世界的なバブル崩壊はトヨタの世界販売計画だけでなくソ連など共産世界の崩壊後、グローバリズムで繁栄を謳歌した資本主義社…

何が労働者派遣法の改良をはばむのか

「WEDGE 」09年2月号で東京大学の水町勇一郎准教授は「(国の労働政策にお墨付きを与える労働政策審議会は)正社員を代表とする連合や大規模産別の役員が中心だ。非正社員を容易に雇用調整の対象とすることができる法制度も、こうした一部の代表者の話し合…

金子勝っていいんですか。

(法大教授)の本が売れている。「世界金融危機 」(岩波ブックレット)は書店の売れ行きベストテンに入っているのを目にする。 しかし私は金子氏にはある種のうさんくささを感じる。ある特色ある主張をするのはよいのだが、だとすればその正しさを明確にする…