金子勝っていいんですか。

(法大教授)の本が売れている。「世界金融危機 」(岩波ブックレット)は書店の売れ行きベストテンに入っているのを目にする。
 しかし私は金子氏にはある種のうさんくささを感じる。ある特色ある主張をするのはよいのだが、だとすればその正しさを明確にするための論証が必要なはずなのに、たとえば次の一文に対しては何らの証明もないのである。これでは占い師のご託宣とかわらない。私たちが欲しいのは奇態な結論ではなく、なぜそうなるのかを筋道立てて行う説明の方なのだ。。
(日本の金利引下げを張するポールクルーグマンについて)「あたかも日本の景気対策のように主張されているが、実際はアメリカから日本への資金の逆流を抑えるアメリカの自己利害を強く表明したものと受け止めた方がよい」。
 ???あるいはその解釈は間違いではないのかもしれないが、ではそういう結論になる根拠は何か?そうしたことへの明瞭な説明は一切ないのである。金子勝が述べたご託宣だからありがたく信頼せよということなのか。だとしたらもはや「学」ではない。
 
 誰でもいいから、金子勝のすばらしさを教えて欲しい。

 

閉塞経済―金融資本主義のゆくえ (ちくま新書)

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