ニライカナイーCoccoについて

 2回連続で沖縄の基地問題について触れたので、ついでにCoccoというミュージシャンについて。
 ファンの間ではおそらく相当な話題になっているのではないかと思うが、彼女の新曲「ニライカナイ」のPVは「隠喩」を超えて、「基地問題」への直截的な怒りが表現されていて観る者を圧倒する。
デビュー当時から彼女には、無垢さとともに不穏な感じが見えかくれし、時に陰惨な破壊や血のイメージになって噴出させるところがあった。なぜそのような表現者となったのかは即断できないが、いったん引退して沖縄に戻り、学生たちに呼びかけて行ったゴミゼロ大作戦で歌った「Heaven's hell」にはすでに、かの「問題」を連想させるイメージが噴出している。

立ち入るな
風の住む丘
虹に架(か)けた
無理な乞(こ)い

この空に
犇(ひし)めく罪を
鳴らせ 落とせ
穴だらけ

 ドキュメンタリー映画「大丈夫であるように-Cocco 終らない旅」では青森でのコンサートで核燃料サイクル基地のある六カ所村に触れ、受けている困難さにおいて六ヶ所村と沖縄は同じだと言い、それまで知らなかったことを号泣しながら謝っている。
 そして今回の「ニライカナイ」。
 彼女には何か期するものがあったに違いない。

龍神よ 出でよ
眠れぬ獅子よ 叫べ
生まり島 忘んなよ
踊れ 踊れ 輪になれ

さらに、

祈りを掛ける者 在れば
諸共 燃やす者も有りの世の中
雨は 雨は 罪人の上にも降る

 言わんとしていることは明らかだ。メジャーシーンにある歌い手が堂々とこのような歌を歌い、踊る。時は満ちたと感じる。

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