自分を支える言葉

一本の美しい花

ベトナム戦争に医師として志願し、激戦地で戦死したベトナム人女性ダン・トゥイー・チャムの「トゥイーの日記」は、歴史ものや戦記では味わえない「闘いの中の崇高さ」を感じることができる。 この南の地では、戦功の花も英雄の花も美しく咲き誇っている。し…

ちょっとセンチメンタルだが・・・

ちょっとセンチメンタルだが、青木雄二氏を本当に好きになったのは次の言葉ー 僕は声が大きいし、本当のことをずけずけと言う性分だから、周囲の者、ことに女性には怪訝な顔で見られることの方が多かったと思う。こんな僕のことを「あんたは『七人の侍』の菊…

キングの最後の活動

ジジェク「ポストモダンの共産主義」よりー ・・・(マルティン・ルーサー)キングは「平等の公理」を追求した。それは人種差別という単一の主題をはるかに超えたものだった。死亡したのも、反貧困、反戦を説いてまわる最中のことで、ヴェトナム戦争反対を公…

「私はマイノリティなどではない」

山口泉の著書はもう読まなくなって久しいが、忘れられない言葉だ。 山口泉「テレビと戦う」よりー >> ”マジョリティ”対”マイノリティ”といった、いかにもアメリカ合衆国”多数決民主主義”風の「物量の正義」を容認する論理が、私は嫌いである。この種の英単語…

踏み絵の逆説

屈しているように見えて屈しているのではない、事実はその逆さまだということが世の中にはあるのだろう。その栄光は当人にしか分からないから誰からも賞賛されることはないが、たぶん当人はそれで充足しているはずだ。 遠藤周作「沈黙」文庫268ページー 司祭…