山地悠紀夫「私は生まれてくるべきではなかった」

「死刑でいいです」池谷孝司著・共同通信社
 「累犯障害者」の読後もそうだが、刑務所の入る人達の中に障害者が少なからずいるのだということを意識しなかったのは迂闊だった。
 死刑を宣告され、本人が早期を希望したからか分からないが09年7月に処刑された山地悠紀夫が弁護士に送った最後の手紙より—

 「私の考えは、変わりがありません。「上告・上訴は取り下げます。』この意志は変える事がありません。判決が決定されて、あと何ヶ月、何年生きるのか私は知りませんが、私が今思うことはただ一つ、『私は生まれてくるべきではなかった』という事です。今回、前回の事件を起こす起こさないではなく、『生』そのものが、あるべきではなかった、と思っています。いろいろとご迷惑をおかけして申し訳ございません。さようなら」

 —孤独と絶望に満ちた遺書だ。

死刑でいいです --- 孤立が生んだ二つの殺人

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